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Appendix B 練習問題

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Basic(基礎)

B-1. テンソル積 \(S \otimes T\) の基本

ヒント

分配法則 \((a e_1 + b e_2) \otimes (c e_1 + d e_2) = ac\,e_1 \otimes e_1 + ad\,e_1 \otimes e_2 + bc\,e_2 \otimes e_1 + bd\,e_2 \otimes e_2\) を使う。

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B-2. テンソル積の非可換性

ヒント

テンソル積は一般に非可換:\(S \otimes T \neq T \otimes S\)\(e_1 \otimes e_2\)\(e_2 \otimes e_1\) の係数を比較する。

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B-3. テンソルの線形結合

ヒント

同じ基底 \(e_i \otimes e_j\) の係数同士を足し引きする。普通のベクトルの線形結合と同じ操作。

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B-4. テンソル空間の次元

ヒント

\(V\)\(n\) 次元のとき、\(T^r(V)\) の次元は \(n^r\)

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B-5. Einstein 和の展開

ヒント

\(S = \sum_{i=1}^{3}\sum_{j=1}^{3} S^{ij}\,e_i \otimes e_j\) と書き、\(i\)\(j\) の全組み合わせを数える。

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B-6. Einstein 規約の違反

  • (a) \(A^i B^j\,e_i \otimes e_j\)
  • (b) \(A^i B^i C^i\)
  • (c) \(S^{ij}\,T_{jk}\)
  • (d) \(A^i B_j\)
  • (e) \(S^{ij}\,e_i \otimes e_i\)
ヒント

規約のルール:(1) 同じ添字が上と下に 1 回ずつ現れたら和をとる、(2) 同じ添字が 1 つの項に 3 回以上現れてはならない、(3) 和をとらない添字(自由添字)は各項で一致する必要がある。

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B-7. 成分からテンソルを復元

ヒント

\(S = S^{ij}\,e_i \otimes e_j\) の縮約を展開し、成分の値を代入する。

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B-8. 1 階と 2 階のテンソル積

ヒント

\(A \otimes S\)\(T^1(V)\) の元と \(T^2(V)\) の元のテンソル積なので \(T^{1+2}(V) = T^3(V)\) の元。分配法則を使って展開する。

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Medium(標準)

M-1. 分解可能テンソルの条件

ヒント

\(S = \alpha e_1 + \beta e_2\)\(T = \gamma e_1 + \delta e_2\) とおいて \(S \otimes T\) を展開し、\(a = \alpha\gamma,\; b = \alpha\delta,\; c = \beta\gamma,\; d = \beta\delta\) から \(ad\)\(bc\) を比較する。逆方向(\(ad = bc\) ならば分解可能)も示すこと。

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M-2. 双線形写像の成分表示

(a) 一般のベクトル \(\vec{A} = A^1 e_1 + A^2 e_2\)\(\vec{B} = B^1 e_1 + B^2 e_2\) に対する \(f(\vec{A}, \vec{B})\) を、多重線形性を用いて成分 \(A^i, B^j, f_{ij}\) で表せ。

(b) \(\vec{A} = e_1 - 2e_2\)\(\vec{B} = 3e_1 + e_2\) のとき、\(f(\vec{A}, \vec{B})\) の値を求めよ。

(c) この \(f\) について \(f(\vec{A}, \vec{B}) = f(\vec{B}, \vec{A})\) が任意の \(\vec{A}, \vec{B}\) に対して成り立つことを、成分を用いて確認せよ。

ヒント

(a) では式 (B.7) と同様に \(f(\vec{A}, \vec{B}) = A^i B^j f_{ij}\) を導く。(c) では \(f_{ij} = f_{ji}\) であることを確認する。

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M-3. テンソル積による階数の加算

ヒント

テンソル積の分配法則とスカラーの引き出し (B.1)–(B.3) を使って \(S \otimes T\) を展開し、基底が \(e_{i_1} \otimes \cdots \otimes e_{i_r} \otimes e_{j_1} \otimes \cdots \otimes e_{j_m}\) の形になることを確認する。

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M-4. \(T^0(V)\) とスカラー

ヒント

\(T^0(V)\) は基底が「空のテンソル積」1 個だけの 1 次元空間であり、実数体 \(\mathbb{R}\) と同一視できる。\(\lambda \otimes S\) に (B.1) を適用する。

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M-5. 単純な \(S \otimes T\) の展開

ヒント

分配法則を使って \((e_1 + 2e_2) \otimes (3e_1 - e_2)\) を展開する。

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M-6. 3 次元空間のテンソル空間の次元

ヒント

\(V\)\(n\) 次元のとき \(T^r(V)\) の次元は \(n^r\)\(n = 3\) を代入する。

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M-7. 反対称テンソルの非分解性

ヒント

\(a = 0, b = 1, c = -1, d = 0\) として \(ad - bc = 0 - (-1) = 1 \neq 0\)。問題 B.9 の結果を利用する。

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M-8. 単位双線形形式の評価

ヒント

\(f(\vec{A}, \vec{B}) = A^i B^j f_{ij}\) に成分を代入する。\(f_{ij} = \delta_{ij}\)(単位行列)であることに注目。

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Advanced(発展)

A-1. 対称・反対称分解

\(W^{(S)} := \frac{1}{2}(W^{ij} + W^{ji})\,e_i \otimes e_j, \qquad W^{(A)} := \frac{1}{2}(W^{ij} - W^{ji})\,e_i \otimes e_j\)

で定義する。

(a) 任意の \(W \in T^2(V)\)\(W = W^{(S)} + W^{(A)}\) と一意に分解されることを示せ。

(b) 対称テンソル全体の集合 \(\mathrm{Sym}^2(V) = \{W \in T^2(V) \mid W^{ij} = W^{ji}\}\) と反対称テンソル全体の集合 \(\mathrm{Alt}^2(V) = \{W \in T^2(V) \mid W^{ij} = -W^{ji}\}\) がそれぞれ \(T^2(V)\) の部分空間であることを示し、\(V\)\(n\) 次元のときの \(\mathrm{Sym}^2(V)\)\(\mathrm{Alt}^2(V)\) の次元を求めよ。

(c) 計量テンソル \(g_{\mu\nu}\) が対称テンソルであること(\(g_{\mu\nu} = g_{\nu\mu}\))と、電磁場テンソル(ファラデーテンソル) \(F_{\mu\nu}\) が反対称テンソルであること(\(F_{\mu\nu} = -F_{\nu\mu}\))を踏まえ、4 次元時空(\(n = 4\))において \(g_{\mu\nu}\) の独立成分の数と \(F_{\mu\nu}\) の独立成分の数をそれぞれ求めよ。それらの和が \(n^2\) に一致することを確認せよ。

ヒント

(b) \(\mathrm{Sym}^2(V)\) の次元は \(\frac{n(n+1)}{2}\)\(\mathrm{Alt}^2(V)\) の次元は \(\frac{n(n-1)}{2}\)。(c) \(n = 4\) を代入する。

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A-2. 双対空間によるテンソル表現

(a) \(V^*\)\(V^*\) のテンソル積空間 \(V^* \otimes V^*\) の基底と次元を書き下せ。

(b) \(\binom{0}{2}\) テンソル \(f\)(ベクトルを 2 個受け取り実数を返す双線形写像)の成分 \(f_{ij} = f(e_i, e_j)\) を用いて、\(f\)\(V^* \otimes V^*\) の元として

\(f = f_{ij}\,e^i \otimes e^j\)

と表せることを、任意のベクトル \(\vec{A} = A^k e_k\)\(\vec{B} = B^l e_l\) に対して \(f(\vec{A}, \vec{B}) = A^k B^l f_{kl}\) が再現されることを確認することで示せ。ここで、\((e^i \otimes e^j)(\vec{A}, \vec{B}) := e^i(\vec{A})\,e^j(\vec{B})\) と定義する。

(c) この結果を踏まえ、\(\binom{0}{2}\) テンソルの空間が \(V^* \otimes V^*\) と同型であること、そして \(\binom{0}{N}\) テンソルの空間が \(\underbrace{V^* \otimes \cdots \otimes V^*}_{N}\) と同型であることを論ぜよ。本文 B.11 節の「2 つのアプローチのつながり」がどのように一般化されるか説明せよ。

ヒント

(b) \(f_{ij}\,e^i \otimes e^j\)\((\vec{A}, \vec{B})\) を代入し、\(e^i(\vec{A}) = A^i\)(双対基底の定義)を使う。(c) 反変テンソル空間 \(T^r(V) = V \otimes \cdots \otimes V\) との対比で、共変テンソル空間 \(T_N(V) = V^* \otimes \cdots \otimes V^*\) を構成する議論を行う。


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