Appendix C 練習問題¶
目次
Basic(基礎)
- B-1. 基本ガウス積分の計算
- B-2. ソース付きガウス積分の平方完成
- B-3. \(q^n\) を含むガウス積分(漸化式の適用)
- B-4. 奇数次ガウス積分がゼロであることの確認
- B-5. 2 変数ガウス積分
- B-6. Grassmann 数の反交換関係の展開
- B-7. Berezin 積分の基本計算
- B-8. 1 変数 Grassmann ガウス積分
- B-9. Grassmann 微分の符号
- B-10. ソース付き多変数ガウス積分
Medium(標準)
- M-1. ソース付きガウス積分による相関関数の生成
- M-2. 多変数 Grassmann ガウス積分の導出
- M-3. Grassmann ガウス積分のソース項と逆行列
- M-4. フレネル積分としてのガウス積分
Advanced(発展)
Basic(基礎)¶
B-1. 基本ガウス積分の計算¶
次のガウス積分を式 (C.1) を用いて求めよ。
ヒント
\(e^{-3q^2} = e^{-\frac{a}{2}q^2}\) と比較して \(a = 6\) と読み取る。
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B-2. ソース付きガウス積分の平方完成¶
次の積分を平方完成の手法を用いて計算せよ。
ヒント
指数を \(-\frac{a}{2}q^2 + bq\) の形に整理し、式 (C.3)(\(J \to -b\) の置き換え)を適用する。まず \(a = 4\), \(b = 6\) を特定せよ。
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B-3. \(q^n\) を含むガウス積分(漸化式の適用)¶
漸化式 (C.7) を繰り返し用いて、次の積分を計算せよ。
ヒント
\(a = 1\) として \(I_6(1) = \frac{5}{1}\,I_4(1)\) から出発し、\(I_4(1) = 3\,I_2(1)\), \(I_2(1) = I_0(1) = \sqrt{2\pi}\) と順に降りていく。二重階乗 \((2m-1)!! = 15\) (\(m=3\))を使ってもよい。
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B-4. 奇数次ガウス積分がゼロであることの確認¶
被積分関数の対称性を用いて、次の積分がゼロになることを説明せよ。
ヒント
\(q \to -q\) の変数変換を行い、被積分関数が奇関数であることを示す。
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B-5. 2 変数ガウス積分¶
行列
に対して、式 (C.8) を用いて次の積分を求めよ。
ヒント
\(\det A = 2 \times 3 - 1 \times 1 = 5\) を計算し、式 (C.8) に \(n = 2\) を代入する。
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B-6. Grassmann 数の反交換関係の展開¶
3 つの独立な Grassmann (グラスマン) 数 \(\eta_1, \eta_2, \eta_3\) に対して、次の積を簡単にせよ。
ヒント
分配法則で展開し、\(\eta_i^2 = 0\) および \(\eta_i\eta_j = -\eta_j\eta_i\) を適用する。
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B-7. Berezin 積分の基本計算¶
Berezin 積分の定義 (C.16) を用いて、次の積分を計算せよ。
ヒント
\(\int d\eta\;1 = 0\) と \(\int d\eta\;\eta = 1\) を各項に適用する。
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B-8. 1 変数 Grassmann ガウス積分¶
独立な Grassmann 変数 \(\bar{\eta}, \eta\) に対して、式 (C.18) を直接検証する形で次を計算せよ。
ヒント
\(e^{-5\bar{\eta}\eta} = 1 - 5\bar{\eta}\eta\) と展開し(\(\bar{\eta}^2 = \eta^2 = 0\) により 2 次以上は消える)、Berezin 積分の定義を順に適用する。
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B-9. Grassmann 微分の符号¶
2 つの独立な Grassmann 変数 \(\theta, \phi\) に対して、次を計算せよ。
ヒント
まず \(\theta\,\phi\,\theta\) を反交換関係で整理する。\(\theta^2 = 0\) に注意。
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B-10. ソース付き多変数ガウス積分¶
式 (C.9) を用いて、\(A = \begin{pmatrix}4 & 0\\0 & 4\end{pmatrix}\), \(\mathbf{J} = \begin{pmatrix}2\\0\end{pmatrix}\) のとき
を計算せよ。
ヒント
\(\det A = 16\), \(A^{-1} = \frac{1}{4}\mathbf{1}\)。\(\mathbf{J}^T A^{-1}\mathbf{J} = (2,0)\frac{1}{4}\begin{pmatrix}2\\0\end{pmatrix} = 1\) を代入する。
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Medium(標準)¶
M-1. ソース付きガウス積分による相関関数の生成¶
1 変数ソース付きガウス積分
を用いて、以下を示せ。
(a) \(\langle q^2 \rangle \equiv \dfrac{1}{Z(0)}\left.\dfrac{\partial^2 Z}{\partial J^2}\right|_{J=0} = \dfrac{1}{a}\)
(b) \(\langle q^4 \rangle \equiv \dfrac{1}{Z(0)}\left.\dfrac{\partial^4 Z}{\partial J^4}\right|_{J=0} = \dfrac{3}{a^2}\)
(c) (b) の結果が Wick の定理(第 8 章)の組み合わせ論的構造 \(\langle q^4\rangle = 3\langle q^2\rangle^2\) と一致することを確認し、「3」がどのような対の組み合わせから生じるか説明せよ。
ヒント
\(Z(J) = \sqrt{2\pi/a}\;e^{J^2/(2a)}\) を \(J\) でべき展開し、\(J\) による微分を実行する。(c) では 4 つの \(q\) を 2 つずつ対にする方法が \(4!/(2^2 \cdot 2!) = 3\) 通りであることを使う。
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M-2. 多変数 Grassmann ガウス積分の導出¶
\(n\) 個の独立な Grassmann 変数の組 \((\bar{\eta}_1, \eta_1), \ldots, (\bar{\eta}_n, \eta_n)\) と \(n \times n\) 行列 \(A\) に対して、
を \(n = 2\) の場合に明示的に示せ。すなわち \(A = \begin{pmatrix}a & b \\ c & d\end{pmatrix}\) として、指数関数を Grassmann 変数の冪で展開し、Berezin 積分を実行して \(\det A = ad - bc\) を得よ。
ヒント
\(\bar{\boldsymbol{\eta}}^T A\boldsymbol{\eta} = a\bar{\eta}_1\eta_1 + b\bar{\eta}_1\eta_2 + c\bar{\eta}_2\eta_1 + d\bar{\eta}_2\eta_2\) と展開する。\(e^{-X}\) を展開するとき、4 つの Grassmann 変数がすべて 1 回ずつ現れる項のみが積分で生き残ることに注意する。
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M-3. Grassmann ガウス積分のソース項と逆行列¶
ソース項 \(\bar{\boldsymbol{\xi}}, \boldsymbol{\xi}\)(Grassmann 変数)を加えた積分
を、Grassmann 変数の平方完成
を用いて導出せよ。変数変換のヤコビアンが 1 であることも確認すること。
ヒント
\(\boldsymbol{\eta}' = \boldsymbol{\eta} - A^{-1}\boldsymbol{\xi}\), \(\bar{\boldsymbol{\eta}}' = \bar{\boldsymbol{\eta}} - (A^{-1})^T\bar{\boldsymbol{\xi}}\) と置き換える。Grassmann 変数の線形変換 \(\eta_i' = \eta_i + c_i\)(\(c_i\) は Grassmann 定数)に対する測度の変換則を確認する。
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M-4. フレネル積分としてのガウス積分¶
式 (C.2) を用いて、純虚数パラメータの極限 \(a \to -i\alpha\)(\(\alpha > 0\) 実数)における積分
を求めよ。結果がフレネル積分 (Fresnel integral) の公式
に一致することを示せ。また、この結果が Minkowski 空間の経路積分(第 10 章)で \(e^{iS}\) の重みが収束する条件とどう関係するか論じよ。
ヒント
\(-\frac{a}{2}q^2 = \frac{i\alpha}{2}q^2\) より \(a = -i\alpha\)。\(a = \alpha e^{-i\pi/2}\) と極形式で書き、式 (C.2) を適用する。\(e^{-i(-\pi/2)/2} = e^{i\pi/4}\) に注意。
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Advanced(発展)¶
A-1. ボソン・フェルミオン行列式の比と超対称性¶
\(n\) 個のボソン変数 \(q_i\) と \(n\) 組の Grassmann 変数 \((\bar{\eta}_i, \eta_i)\) が同じ \(n \times n\) 正定値行列 \(A\) で結合している系を考える。
(a) ボソン部分とフェルミオン部分の積分をそれぞれ実行し、\(Z\) を \(\det A\) と \((2\pi)^{n/2}\) で表せ。
(b) \(A\) が単位行列の定数倍 \(A = m^2 \mathbf{1}\) のとき、\(Z\) が \(m\) に依存しないことを示せ。
(c) この「ボソンとフェルミオンの行列式が相殺する」性質が、超対称性 (supersymmetry, SUSY) の存在下で真空エネルギーのゼロ点振動が消える機構と対応していることを、1 ループ有効ポテンシャル(第 14 章の議論)の観点から論じよ。
ヒント
(a) ボソン部分は \((2\pi)^{n/2}/(\det A)^{1/2}\)、フェルミオン部分は \(\det A\)。(b) \((\det A)^{1/2} = m^n\) を代入。(c) 1 ループ有効ポテンシャルは \(V_{\text{1-loop}} \propto \mathrm{STr}\,M^4\ln(M^2/\mu^2)\) の形をとり、SUSY が成り立つとき超トレース (supertrace) がゼロになることを利用する。
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A-2. Grassmann 積分による行列式の Faddeev–Popov ゴースト表現¶
非 Abel ゲージ理論(第 16 章)の経路積分において、ゲージ固定に伴う Faddeev–Popov (ファデエフ・ポポフ) 行列式
(\(G^a\) はゲージ固定条件、\(\alpha^b\) はゲージ変換パラメータ)を、Grassmann 変数(ゴースト場 \(c^a, \bar{c}^a\))の積分で表す手続きを以下のステップで実行せよ。
(a) 式 (C.19) を引用し、\(\det M = \int \prod_a d\bar{c}^a\,dc^a\;e^{-\bar{c}^a M_{ab}\,c^b}\) が成り立つことを確認せよ。
(b) Lorenz ゲージ \(G^a = \partial_\mu A^{a\mu}\) を採用した \(SU(N)\) Yang–Mills 理論において、Faddeev–Popov 演算子 \(M_{ab}(x,y) = -\partial_\mu D^\mu_{ab}\,\delta^4(x-y)\) を導出せよ。ここで \(D^\mu_{ab} = \delta_{ab}\partial^\mu + g f_{abc}A^{c\mu}\) は随伴表現の共変微分である。
(c) 得られたゴースト作用
から、ゴースト場の Feynman 規則(伝播関数と頂点)を読み取り、ゴーストがスカラー場と同じ伝播関数を持ちながら Fermi 統計に従う理由を Grassmann 積分の性質から説明せよ。
ヒント
(a) は式 (C.19) そのもの。(b) ではゲージ変換 \(\delta A^a_\mu = D_\mu^{ab}\alpha^b\) から \(\delta G^a / \delta\alpha^b\) を計算する。(c) 伝播関数は \(\langle c^a(k)\bar{c}^b(-k)\rangle = \delta^{ab}/k^2\) の形になる。ゴーストがループで \(\det M\)(分子)を与えることと、Grassmann 積分が行列式を分子に出す性質 (C.19) を結びつける。
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