Appendix C 練習問題 解答¶
目次
Basic(基礎)
- B-1. 基本ガウス積分の計算
- B-2. ソース付きガウス積分の平方完成
- B-3. \(q^n\) を含むガウス積分(漸化式の適用)
- B-4. 奇数次ガウス積分がゼロであることの確認
- B-5. 2 変数ガウス積分
- B-6. Grassmann 数の反交換関係の展開
- B-7. Berezin 積分の基本計算
- B-8. 1 変数 Grassmann ガウス積分
- B-9. Grassmann 微分の符号
- B-10. ソース付き多変数ガウス積分
Medium(標準)
- M-1. ソース付きガウス積分による相関関数の生成
- M-2. 多変数 Grassmann ガウス積分の導出
- M-3. Grassmann ガウス積分のソース項と逆行列
- M-4. フレネル積分としてのガウス積分
Advanced(発展)
Basic(基礎)¶
B-1. 基本ガウス積分の計算¶
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解法の方針: 式 (C.1) \(\int_{-\infty}^{\infty} dq \; e^{-\frac{a}{2}q^2} = \sqrt{\frac{2\pi}{a}}\) と比較する。
計算:
式 (C.1) に代入して、
最終回答:
検算: 次元解析として、\(a = 6\) は正の実数なので収束条件 \(\mathrm{Re}(a) > 0\) を満たす。また \(a = 2\) なら \(\sqrt{\pi}\) となり、これは \(\int e^{-q^2} dq = \sqrt{\pi}\) という既知の結果と一致する。
B-2. ソース付きガウス積分の平方完成¶
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解法の方針: 指数を \(-\frac{a}{2}q^2 + bq\) の形に整理し、式 (C.3) の変形版を適用する。
計算:
指数の肩を整理する:
比較して \(\frac{a}{2} = 2\) より \(a = 4\)、\(b = 6\)。
理解度チェック C.1 の結果(式 (C.3) で \(J \to -b\))より:
代入すると:
最終回答:
検算: 平方完成を直接確認する。\(-2q^2 + 6q = -2(q^2 - 3q) = -2\left(q - \frac{3}{2}\right)^2 + \frac{9}{2}\)。変数変換 \(z = q - 3/2\) とすると:
一致する。
B-3. \(q^n\) を含むガウス積分(漸化式の適用)¶
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解法の方針: \(a = 1\) として漸化式 (C.7) \(I_n(a) = \frac{n-1}{a} I_{n-2}(a)\) を繰り返し適用する。
計算:
したがって:
最終回答:
検算: 式 (C.6) より \(n = 6 = 2m\) で \(m = 3\) のとき、\(I_6(1) = \sqrt{2\pi} \cdot (2 \cdot 3 - 1)!! / 1^3 = \sqrt{2\pi} \cdot 5!! = \sqrt{2\pi} \cdot 15\)。一致する。
B-4. 奇数次ガウス積分がゼロであることの確認¶
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解法の方針: 変数変換 \(q \to -q\) を行い、被積分関数の対称性を調べる。
計算:
\(f(q) = q^3 \, e^{-\frac{a}{2}q^2}\) とおく。\(q \to -q\) の変換を行うと:
よって \(f(q)\) は奇関数である。奇関数を対称区間 \((-\infty, +\infty)\) で積分するとゼロになる:
最終回答:
検算: 一般に \(q^n e^{-aq^2/2}\) は \(n\) が奇数のとき奇関数、偶数のとき偶関数。これは式 (C.6) の結果と整合する。
B-5. 2 変数ガウス積分¶
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解法の方針: 式 (C.8) \(\int d^n q \; e^{-\frac{1}{2}\mathbf{q}^T A\,\mathbf{q}} = \frac{(2\pi)^{n/2}}{(\det A)^{1/2}}\) に \(n = 2\) を代入する。
計算:
行列式を計算する:
\(A\) の固有値は正(\(\mathrm{tr}\,A = 5 > 0\), \(\det A = 5 > 0\) より両固有値が正)なので正定値条件を満たす。
式 (C.8) に代入:
最終回答:
検算: \(A\) が対角行列 \(\mathrm{diag}(2, 3)\) だった場合、\(\det A = 6\) で結果は \(2\pi/\sqrt{6}\)。各変数を独立に積分すると \(\sqrt{2\pi/2} \cdot \sqrt{2\pi/3} = \sqrt{\pi} \cdot \sqrt{2\pi/3} = 2\pi/\sqrt{6}\)。整合する。
B-6. Grassmann 数の反交換関係の展開¶
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解法の方針: 分配法則で展開し、\(\eta_i^2 = 0\) と \(\eta_i \eta_j = -\eta_j \eta_i\) を適用する。
計算:
\(\eta_2^2 = 0\) より第 3 項は消える:
最終回答:
検算: 反交換関係を用いて別の順序で書くこともできる。例えば \(\eta_1\eta_2 = -\eta_2\eta_1\) なので \(-\eta_2\eta_1 + \eta_1\eta_3 + \eta_2\eta_3\) とも書ける。元の式で \(\eta_1 = \eta_2\) とおくと \(2\eta_1(\eta_1 + \eta_3) = 2\eta_1\eta_3\)(\(\eta_1^2 = 0\) を使用)。一方、結果に代入すると \(\eta_1^2 + \eta_1\eta_3 + \eta_1\eta_3 = 0 + 2\eta_1\eta_3\)。一致する。
B-7. Berezin 積分の基本計算¶
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解法の方針: Berezin 積分の定義 (C.16) \(\int d\eta\;\eta = 1\), \(\int d\eta\;1 = 0\) を各項に適用する。
計算:
最終回答:
検算: Grassmann 積分は微分と同じ操作であることを確認する。\(\frac{\partial}{\partial\eta}(3 + 5\eta) = 5\)。一致する。
B-8. 1 変数 Grassmann ガウス積分¶
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解法の方針: \(\bar{\eta}^2 = \eta^2 = 0\) を用いて指数関数を有限項で展開し、Berezin 積分を実行する。
計算:
\(\bar{\eta}\eta\) は Grassmann 数の積なので \((\bar{\eta}\eta)^2 = \bar{\eta}\eta\bar{\eta}\eta = -\bar{\eta}\bar{\eta}\eta\eta = -\bar{\eta}^2\eta^2 = 0\)。よって:
Berezin 積分を実行する。積分の順序は \(\int d\bar{\eta}\,d\eta\) で、内側から \(\eta\)、外側で \(\bar{\eta}\) を積分する:
まず \(\eta\) について積分:
次に \(\bar{\eta}\) について積分:
待って、符号を再確認する。\(-5\bar{\eta}\eta\) の項で \(\int d\eta\;(\bar{\eta}\eta)\) を計算する際、\(\bar{\eta}\) は \(\eta\) に対して Grassmann 定数なので:
(\(\bar{\eta}\) を積分記号の外に出すとき、\(d\eta\) と \(\bar{\eta}\) の交換で符号が出るかどうか。Berezin 積分の規約では、\(\int d\eta\) は左微分として作用するので、\(\int d\eta\;(\bar{\eta}\eta)\) では \(\bar{\eta}\) を \(\eta\) の左から通す必要がある。\(\bar{\eta}\eta = -\eta\bar{\eta}\) だから \(\int d\eta\;(-\eta\bar{\eta}) = -\bar{\eta}\)... )
ここは規約を慎重に確認する。標準的な規約では:
\(\frac{\partial}{\partial\eta}(\bar{\eta}\eta)\) を計算する。左微分の規約で、\(\eta\) を左端に持ってくる:\(\bar{\eta}\eta = -\eta\bar{\eta}\) なので
よって \(\int d\eta\;\bar{\eta}\eta = -\bar{\eta}\)。
再計算:
次に:
最終回答:
検算: 式 (C.18) によれば \(\int d\bar{\eta}\,d\eta \; e^{-a\bar{\eta}\eta} = a\)。\(a = 5\) を代入すると \(5\)。一致する。これはまた \(1 \times 1\) 行列 \(A = (5)\) に対する \(\det A = 5\) とも一致する。
B-9. Grassmann 微分の符号¶
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解法の方針: まず \(\theta\phi\theta\) を反交換関係で整理し、その後 \(\phi\) で微分する。
計算:
(\(\phi\) と \(\theta\) を交換するとき符号が変わり、\(\theta^2 = 0\) より全体がゼロ。)
したがって:
最終回答:
検算: 別の方法で確認する。左微分の規約で \(\frac{\partial}{\partial\phi}\) を作用させるには、\(\phi\) を左端に持ってくる。\(\theta\phi\theta = -\phi\theta\theta = -\phi\theta^2 = 0\)。微分する前にすでにゼロなので、結果もゼロ。
B-10. ソース付き多変数ガウス積分¶
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解法の方針: 式 (C.9) を適用する。
計算:
与えられたデータ:
必要な量を計算する:
式 (C.9) に代入(\(n = 2\)):
最終回答:
検算: \(A\) が対角なので各変数を独立に積分できる。\(q_1\) の積分:\(\int dq_1\;e^{-2q_1^2 - 2q_1} = \sqrt{\pi/2}\,e^{1/2}\)(\(a = 4\), \(J = 2\) で式 (C.3))。\(q_2\) の積分:\(\int dq_2\;e^{-2q_2^2} = \sqrt{\pi/2}\)。積は \((\pi/2)\,e^{1/2}\)。一致する。
Medium(標準)¶
M-1. ソース付きガウス積分による相関関数の生成¶
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解法の方針: \(Z(J) = \sqrt{2\pi/a}\;e^{J^2/(2a)}\) を \(J\) で微分し、\(J = 0\) で評価する。
(a) \(\langle q^2 \rangle = 1/a\)¶
計算:
\(J = 0\) で評価:
\(Z(0) = \sqrt{2\pi/a}\) なので:
(b) \(\langle q^4 \rangle = 3/a^2\)¶
計算:
\(e^{J^2/(2a)}\) をべき展開する:
\(\frac{\partial^4}{\partial J^4}\) を作用させると、\(J^4\) の項のみが \(J = 0\) で寄与する:
よって:
(c) Wick の定理との対応¶
計算:
Wick の定理によれば、\(\langle q^4 \rangle\) は 4 つの \(q\) を 2 つずつ対(縮約)にする全ての方法の和で与えられる。4 つの \(q\) を \(q_1, q_2, q_3, q_4\) とラベルすると、対の組み合わせは:
- \((q_1 q_2)(q_3 q_4)\)
- \((q_1 q_3)(q_2 q_4)\)
- \((q_1 q_4)(q_2 q_3)\)
の 3 通り。各対は \(\langle q^2 \rangle = 1/a\) を与えるので:
組み合わせの数は一般に \(\frac{(2m)!}{2^m \cdot m!}\) で与えられ、\(m = 2\) のとき \(\frac{4!}{2^2 \cdot 2!} = \frac{24}{4 \cdot 2} = 3\)。
検算: 漸化式 (C.7) から直接 \(I_4(a) = 3/a^2 \cdot I_0(a)\) を確認でき、\(\langle q^4 \rangle = I_4/I_0 = 3/a^2\) と一致する。
M-2. 多変数 Grassmann ガウス積分の導出¶
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解法の方針: 指数関数を Grassmann 変数で展開し、Berezin 積分で非零の項を拾う。
計算:
\(A = \begin{pmatrix}a & b \\ c & d\end{pmatrix}\) として、指数の肩を展開する:
これを \(X\) と書く。\(e^{-X}\) を展開する:
Berezin 積分 \(\int d\bar{\eta}_1\,d\eta_1\,d\bar{\eta}_2\,d\eta_2\) が非零になるためには、被積分関数に 4 つの Grassmann 変数 \(\bar{\eta}_1, \eta_1, \bar{\eta}_2, \eta_2\) がすべてちょうど 1 回ずつ現れる必要がある。
- 1 の項:Grassmann 変数を含まないので積分はゼロ。
- \(-X\) の項:各項は 2 つの Grassmann 変数しか含まないのでゼロ。
- \(\frac{1}{2}X^2\) の項:4 つの Grassmann 変数を含む項が生き残る。
\(X^2\) を計算する:
4 つの変数がすべて現れる組み合わせは:
- \((a\bar{\eta}_1\eta_1)(d\bar{\eta}_2\eta_2) = ad\,\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)
- \((d\bar{\eta}_2\eta_2)(a\bar{\eta}_1\eta_1) = ad\,\bar{\eta}_2\eta_2\bar{\eta}_1\eta_1\)
- \((b\bar{\eta}_1\eta_2)(c\bar{\eta}_2\eta_1) = bc\,\bar{\eta}_1\eta_2\bar{\eta}_2\eta_1\)
- \((c\bar{\eta}_2\eta_1)(b\bar{\eta}_1\eta_2) = bc\,\bar{\eta}_2\eta_1\bar{\eta}_1\eta_2\)
順序を揃える。基準を \(\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\) とする。
第 1 項:\(\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)(そのまま)。
第 2 項:\(\bar{\eta}_2\eta_2\bar{\eta}_1\eta_1\)。\(\bar{\eta}_2\eta_2\) を \(\bar{\eta}_1\eta_1\) の左から右に移す。\(\bar{\eta}_2\eta_2\) は 2 つの Grassmann 数の積(偶数個)なので、他の Grassmann 数と交換しても符号は変わらない。よって \(\bar{\eta}_2\eta_2\bar{\eta}_1\eta_1 = \bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)。
第 3 項:\(\bar{\eta}_1\eta_2\bar{\eta}_2\eta_1\)。これを \(\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\) の順に並べ替える:
さらに \(\bar{\eta}_1\bar{\eta}_2\eta_1\eta_2\):\(\bar{\eta}_2\) と \(\eta_1\) を交換して \(\bar{\eta}_1(-\eta_1\bar{\eta}_2)\eta_2 = -\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)。
よって第 3 項 \(= -\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)。
第 4 項:\(\bar{\eta}_2\eta_1\bar{\eta}_1\eta_2\)。同様に並べ替える:
\(\eta_1\) と \(\bar{\eta}_1\) を交換:\(\bar{\eta}_2(-\bar{\eta}_1\eta_1)\eta_2 = -\bar{\eta}_2\bar{\eta}_1\eta_1\eta_2\)。
\(\bar{\eta}_2\) と \(\bar{\eta}_1\) を交換:\(-(-\bar{\eta}_1\bar{\eta}_2)\eta_1\eta_2 = \bar{\eta}_1\bar{\eta}_2\eta_1\eta_2\)。
\(\bar{\eta}_2\) と \(\eta_1\) を交換:\(\bar{\eta}_1(-\eta_1\bar{\eta}_2)\eta_2 = -\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)。
よって第 4 項 \(= -\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)。
まとめると:
したがって:
Berezin 積分を実行する。積分の順序を \(\int d\bar{\eta}_1\,d\eta_1\,d\bar{\eta}_2\,d\eta_2\) とする:
内側から順に:
ただし、符号に注意が必要。\(\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\) に対して右から順に積分する場合:
\(\eta_2\) を左端に持ってくる:\(\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2 = -\bar{\eta}_1\eta_1\eta_2\bar{\eta}_2\)...
ここは別のアプローチで整理する。標準的な規約として:
を、最も右の \(d\eta_2\) から順に作用させる。\(\int d\eta_2\;\eta_2 = 1\) で \(\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\) が残る。次に \(\int d\bar{\eta}_2\;\bar{\eta}_2 = 1\) で \(\bar{\eta}_1\eta_1\) が残る。次に \(\int d\eta_1\;\eta_1 = 1\) で \(\bar{\eta}_1\) が残る。最後に \(\int d\bar{\eta}_1\;\bar{\eta}_1 = 1\)。
しかし、各ステップで変数を左端に持ってくる際の符号を考慮する必要がある。
より系統的に:\(\int \prod_i d\bar{\eta}_i d\eta_i\) の規約として、結果が \(\det A\) になるように定義されている。ここでは直接的に確認する。
別の方法:\(e^{-X}\) の展開で 4 変数の項を直接計算する。
\(X = a\bar{\eta}_1\eta_1 + b\bar{\eta}_1\eta_2 + c\bar{\eta}_2\eta_1 + d\bar{\eta}_2\eta_2\)
\(\frac{1}{2}X^2\) の 4 変数部分を直接計算する代わりに、もっと直接的なアプローチを取る。
\(e^{-X}\) を展開して、\(\bar{\eta}_1\bar{\eta}_2\eta_1\eta_2\) に比例する項を集める(これが唯一の非零な 4 次の独立な単項式)。
\(X\) の各項を \(X_1 = a\bar{\eta}_1\eta_1\), \(X_2 = b\bar{\eta}_1\eta_2\), \(X_3 = c\bar{\eta}_2\eta_1\), \(X_4 = d\bar{\eta}_2\eta_2\) とする。
\(\frac{1}{2}X^2\) で 4 変数が現れる組み合わせ:\(X_1 X_4\), \(X_4 X_1\), \(X_2 X_3\), \(X_3 X_2\)。
\(\bar{\eta}_2\eta_2\bar{\eta}_1\eta_1\) を標準順序に:\(\bar{\eta}_2\) と \(\eta_2\) の積は偶数次なので \(\bar{\eta}_2\eta_2\bar{\eta}_1\eta_1 = \bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)(偶数個の Grassmann 数の積は他の Grassmann 数と可換)。
よって \(X_4 X_1 = ad\,\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)。
\(\bar{\eta}_1\eta_2\bar{\eta}_2\eta_1\) を整理:\(\eta_2\bar{\eta}_2 = -\bar{\eta}_2\eta_2\) を使って
さらに \(\bar{\eta}_2\eta_1 = -\eta_1\bar{\eta}_2\) を使って:
(\(\bar{\eta}_2\) と \(\eta_1\) を交換:\(\bar{\eta}_1(\bar{\eta}_2\eta_1)\eta_2 = \bar{\eta}_1(-\eta_1\bar{\eta}_2)\eta_2 = -\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\))
よって \(X_2 X_3 = -bc\,\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)。
\(\bar{\eta}_2\eta_1\bar{\eta}_1\eta_2\) を整理:\(\eta_1\bar{\eta}_1 = -\bar{\eta}_1\eta_1\) を使って
(\(\bar{\eta}_2\bar{\eta}_1 = -\bar{\eta}_1\bar{\eta}_2\) を使い、その後上と同じ)
よって \(X_3 X_2 = -bc\,\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)。
まとめ:
よって:
Berezin 積分を実行する。規約として \(\int d\bar{\eta}_1\,d\eta_1\,d\bar{\eta}_2\,d\eta_2\) を使う。
これは \(\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\) を積分測度の順序に合わせて評価する。各 Berezin 積分は左微分として作用する。
右から順に作用させる規約で:
\(\eta_2\) を左端に持ってくる:\(\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)。\(\eta_2\) は右端にあるので、\(\partial/\partial\eta_2\) を右から作用させる(右微分)か、左微分の規約で \(\eta_2\) を左に持ってくる。
左微分の規約:\(\frac{\partial}{\partial\eta_2}(\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2)\)。\(\eta_2\) を左端に持ってくるために 3 つの Grassmann 変数を通過させる:
よって \(\frac{\partial}{\partial\eta_2}(-\eta_2\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2) = -\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\)。
次に \(\int d\bar{\eta}_2\):\(\frac{\partial}{\partial\bar{\eta}_2}(-\bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2)\)。\(\bar{\eta}_2\) を左端に:
\(\frac{\partial}{\partial\bar{\eta}_2}(-\bar{\eta}_2\bar{\eta}_1\eta_1) = -\bar{\eta}_1\eta_1\)。
次に \(\int d\eta_1\):\(\frac{\partial}{\partial\eta_1}(-\bar{\eta}_1\eta_1)\)。\(\eta_1\) を左端に:
\(\frac{\partial}{\partial\eta_1}(\eta_1\bar{\eta}_1) = \bar{\eta}_1\)。
最後に \(\int d\bar{\eta}_1\):\(\frac{\partial}{\partial\bar{\eta}_1}(\bar{\eta}_1) = 1\)。
よって:
したがって:
最終回答:
検算: \(A = \mathbf{1}\)(単位行列)のとき \(\det A = 1\)。\(X = \bar{\eta}_1\eta_1 + \bar{\eta}_2\eta_2\) で、\(\frac{1}{2}X^2 = \bar{\eta}_1\eta_1\bar{\eta}_2\eta_2\)。積分すると 1。一致する。ボソンの場合は \((\det A)^{-1/2}\) が分母に来るのに対し、フェルミオンでは \(\det A\) が分子に来る——これが Grassmann 積分の本質的な特徴。
M-3. Grassmann ガウス積分のソース項と逆行列¶
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解法の方針: Grassmann 変数の平方完成を行い、変数変換後にソースなしの積分に帰着させる。
計算:
指数の肩を整理する:
平方完成を行う。新しい変数を定義する:
(ここで転置の位置に注意:\(\bar{\boldsymbol{\eta}}^T A\boldsymbol{\eta}\) の形から、\(\bar{\boldsymbol{\eta}}'^T = \bar{\boldsymbol{\eta}}^T - \bar{\boldsymbol{\xi}}^T A^{-1}\))
平方完成の恒等式を確認する:
右辺を展開して確認:
\(-\bar{\boldsymbol{\xi}}^T A^{-1}\boldsymbol{\xi}\) を加えると:
これは確かに元の式と一致する。✓
変数変換 \(\boldsymbol{\eta}' = \boldsymbol{\eta} - A^{-1}\boldsymbol{\xi}\), \(\bar{\boldsymbol{\eta}}' = \bar{\boldsymbol{\eta}} - (A^{-1})^T\bar{\boldsymbol{\xi}}\) を行う。
ヤコビアンの確認: Grassmann 変数の線形変換 \(\eta_i' = \eta_i + c_i\)(\(c_i\) は Grassmann 定数)に対して、Berezin 積分の測度は不変である:
これは Berezin 積分が平行移動不変であることから従う。\(\int d\eta'\;f(\eta') = \int d\eta\;f(\eta + c)\) で、\(f(\eta + c) = f_0 + f_1(\eta + c) = (f_0 + f_1 c) + f_1\eta\) の \(\eta\) の係数は \(f_1\) のまま変わらない。
より一般に、\(\eta_i' = M_{ij}\eta_j + c_i\) という変換では \(\prod_i d\eta_i' = (\det M)^{-1}\prod_i d\eta_i\)(ボソンと逆!)。今の場合 \(M = \mathbf{1}\)(単位行列)なのでヤコビアンは 1。
同様に \(\bar{\boldsymbol{\eta}}'\) についてもヤコビアンは 1。
よって:
積分を実行する:
最終回答:
検算: \(\boldsymbol{\xi} = \bar{\boldsymbol{\xi}} = 0\) とおくと \(\det A\) に戻る。✓ また、ボソンの場合の式 (C.9) と比較すると、ボソンでは \((\det A)^{-1/2} e^{\frac{1}{2}\mathbf{J}^T A^{-1}\mathbf{J}}\) だったのに対し、フェルミオンでは \(\det A \cdot e^{\bar{\boldsymbol{\xi}}^T A^{-1}\boldsymbol{\xi}}\)。行列式が分母から分子に移り、指数の \(1/2\) 因子がないのは、\(\bar{\eta}\) と \(\eta\) が独立な変数であることに対応する。
M-4. フレネル積分としてのガウス積分¶
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解法の方針: 式 (C.2) を \(a = -i\alpha\) に対して適用する。
計算:
求める積分は:
これを式 (C.1) の形 \(\int dq\;e^{-\frac{a}{2}q^2}\) と比較すると:
\(a\) を極形式で書く:
ここで \(|a| = \alpha\), \(\theta = -\pi/2\)。\(\mathrm{Re}(a) = 0\) なので厳密には収束条件 \(\mathrm{Re}(a) > 0\) の境界上にある。これは \(\mathrm{Re}(a) > 0\) の領域からの解析接続として理解する。
式 (C.2) を適用:
最終回答:
Minkowski 空間の経路積分との関係:
Minkowski 空間の経路積分では、重みが \(e^{iS}\) の形をとる。自由スカラー場の作用は
運動量空間では \(S \sim \int \frac{d^4k}{(2\pi)^4}\;\frac{1}{2}\phi(-k)(k^2 - m^2)\phi(k)\) となり、経路積分は
の形になる。各モードの積分はまさにフレネル型 \(\int dq\;e^{i\alpha q^2/2}\) である。
この積分は \(\mathrm{Re}(a) = 0\) で厳密には収束しない。実際の処方は:
-
\(i\epsilon\) 処方:\(m^2 \to m^2 - i\epsilon\) とすることで \(a\) にわずかな正の実部を与え、収束を保証する。これが Feynman 伝播関数の \(i\epsilon\) の起源。
-
Wick 回転:\(t \to -i\tau\) として Euclid 空間に移ると \(e^{iS} \to e^{-S_E}\) となり、ガウス積分が通常の収束する形になる。計算後に解析接続で Minkowski 空間に戻す。
フレネル積分の位相 \(e^{i\pi/4}\) は、Wick 回転の際の回転角 \(\pi/2\) の半分に対応しており、経路積分の全体的な位相因子(規格化に吸収される)を決定する。
検算: \(e^{i\pi/4} = \frac{1+i}{\sqrt{2}}\) なので、\(I = \sqrt{\frac{2\pi}{\alpha}} \cdot \frac{1+i}{\sqrt{2}} = \sqrt{\frac{\pi}{\alpha}}(1+i)\)。\(|I|^2 = \frac{\pi}{\alpha} \cdot 2 = \frac{2\pi}{\alpha}\)。一方、\(|I|^2 = |\int dq\;e^{i\alpha q^2/2}|^2 = \int dq_1\int dq_2\;e^{i\alpha(q_1^2 - q_2^2)/2}\)。\(u = q_1 + q_2\), \(v = q_1 - q_2\) と変換すると \(\frac{1}{2}\int du\int dv\;e^{i\alpha uv/2}\)。これは \(\frac{1}{2} \cdot 2\pi \cdot \frac{2}{\alpha} = \frac{2\pi}{\alpha}\)(デルタ関数の表現を使用)。一致する。
Advanced(発展)¶
A-1. ボソン・フェルミオン行列式の比と超対称性¶
→ 問題に戻る
(a) \(Z\) の計算¶
解法の方針: ボソン部分とフェルミオン部分は独立なので、それぞれ別々に積分できる。
計算:
ボソン部分: 式 (C.8) より
フェルミオン部分: 式 (C.19) より
したがって:
(b) \(A = m^2 \mathbf{1}\) の場合¶
計算:
...これは \(m\) に依存している。問題文を再確認する。
実は、ボソン部分の積分で \((\det A)^{-1/2}\) が出て、フェルミオン部分で \(\det A\) が出るので:
\(A = m^2\mathbf{1}\) のとき \(Z = (2\pi)^{n/2} m^n\)。これは \(m\) に依存する。
問題の意図を再考する。超対称性の文脈では、ボソンとフェルミオンの自由度が等しいとき、分配関数(あるいは有効作用の行列式部分)が質量に依存しなくなる。しかしここでは、ボソンが実スカラー \(n\) 個(自由度 \(n\))、フェルミオンが複素 Grassmann \(n\) 組(自由度 \(2n\))なので、自由度が一致していない。
超対称性が正確に成り立つためには、ボソンとフェルミオンの行列式が完全に相殺する必要がある。つまり \((\det A)^{-1/2}\) と \(\det A\) ではなく、\((\det A)^{-1/2}\) と \((\det A)^{1/2}\) が相殺する状況が必要。
問題文のヒントを見ると「(b) \((\det A)^{1/2} = m^n\) を代入」とあり、\(Z\) が \(m\) に依存しないとは書いていない...
再度問題文を読む:「\(A\) が単位行列の定数倍 \(A = m^2 \mathbf{1}\) のとき、\(Z\) が \(m\) に依存しないことを示せ。」
これが成り立つためには、ボソンとフェルミオンの寄与が完全に相殺する必要がある。ボソン \(n\) 個の実変数で \((\det A)^{-1/2} = m^{-n}\)、フェルミオン \(n\) 組で \(\det A = m^{2n}\)。積は \(m^{-n} \cdot m^{2n} = m^n\)。これは \(m\) に依存する。
おそらく問題の意図は、ボソンも複素変数(\(2n\) 個の実自由度)にするか、あるいはフェルミオンの行列式が \((\det A)^{1/2}\) になるような設定を考えるべきかもしれない。
あるいは、\(Z\) の \(m\) 依存性を「真空エネルギー」として解釈し、\(\ln Z\) の \(m\) 依存部分を見る:
いや、これは正しくない。
もう一度整理する。ヒントには「(a) ボソン部分は \((2\pi)^{n/2}/(\det A)^{1/2}\)、フェルミオン部分は \(\det A\)」とある。
\(Z = (2\pi)^{n/2} (\det A)^{1/2}\) で \(A = m^2\mathbf{1}\) なら \(Z = (2\pi)^{n/2} m^n\)。
問題の意図を超対称性の観点から再解釈する。超対称性の場合、通常は有効作用(\(\ln Z\) の行列式部分)を考える。1 ループ有効作用は:
- ボソン:\(+\frac{1}{2}\ln\det A = +\frac{1}{2}\mathrm{Tr}\ln A\)
- フェルミオン:\(-\ln\det A = -\mathrm{Tr}\ln A\)
(フェルミオンは分子に \(\det A\) が来るので、\(\ln Z\) では \(+\ln\det A\) の寄与。しかし物理的な有効ポテンシャルでは符号が逆。)
実は、問題の設定を再考すると、超対称性で相殺が起きるのは \(n\) 個の複素ボソン変数を使う場合かもしれない。あるいは、問題文の意図は以下のように解釈すべき:
ボソン部分が \((\det A)^{-1/2}\) を与え、フェルミオン部分が \((\det A)^{+1}\) を与えるので、\(m\) 依存性は \((\det A)^{1/2} = m^n\)。\((2\pi)^{n/2}\) は \(m\) に依存しない定数なので、\(Z\) 全体は \(m\) に依存する。
しかし問題文は「\(m\) に依存しないことを示せ」と言っている。これは、おそらくフェルミオンの自由度を \(n/2\) 組にするか、あるいは問題の設定が「\(n\) 個の実ボソン + \(n\) 個の実フェルミオン(Majorana 型)」で、フェルミオン部分が \((\det A)^{1/2}\) を与える場合を想定しているのかもしれない。
最も自然な解釈:問題文の設定で、ボソンの寄与 \((\det A)^{-1/2}\) とフェルミオンの寄与 \(\det A\) の積が \((2\pi)^{n/2}(\det A)^{1/2}\) となるが、超対称性の文脈で重要なのは \(m\) に依存する部分の相殺であり、これは \((\det A)^{-1/2} \cdot (\det A)^{1/2} = 1\) の形で起きる。つまり、フェルミオンの自由度を半分にして \((\det A)^{1/2}\) にすべき。
実際、\(n\) 組の Grassmann 変数 \((\bar{\eta}_i, \eta_i)\) は \(2n\) 個の実 Grassmann 自由度に対応し、\(n\) 個の実ボソン自由度とバランスするためには \(n/2\) 組にすべき。
しかし問題文は明確に「\(n\) 個のボソン変数 \(q_i\) と \(n\) 組の Grassmann 変数 \((\bar{\eta}_i, \eta_i)\)」と書いている。
再解釈: おそらく問題の意図は、\(Z\) の行列式依存部分が
であり、これ自体は \(m\) に依存するが、物理量(相関関数の比 \(\langle\cdots\rangle = Z^{-1}\int\cdots\))を計算する際に \(Z\) は規格化因子として消えるので、\(m\) 依存性は物理に影響しない...
いや、問題文をもう一度読むと「\(Z\) が \(m\) に依存しないことを示せ」と明確に書いてある。
別の可能性: 問題の設定で、ボソンの二次形式が \(\frac{1}{2}\mathbf{q}^T A\mathbf{q}\) ではなく \(\mathbf{q}^T A\mathbf{q}\)(\(1/2\) なし)の場合、あるいは \(n\) 個の複素ボソン変数を使う場合を考える。
\(n\) 個の複素ボソン変数 \(z_i = (q_{2i-1} + iq_{2i})/\sqrt{2}\) を使うと:
この場合、\(Z = \frac{\pi^n}{\det A} \cdot \det A = \pi^n\)。これは \(m\) に依存しない!
しかし問題文は「\(n\) 個のボソン変数 \(q_i\)」と書いており、実変数を想定している。
最終的な解釈: 問題文の設定をそのまま受け取り、ヒントに従って計算する。ヒントの (b) は「\((\det A)^{1/2} = m^n\) を代入」とだけ書いてあり、実際に \(Z = (2\pi)^{n/2} m^n\) が \(m\) に依存しないとは言えない。
おそらく問題の意図は、1 ループ有効ポテンシャルの \(m\) 依存部分が相殺することを示すことであり、(b) の「\(Z\) が \(m\) に依存しない」は、正確には「\(Z\) の \(\det A\) 依存部分が相殺する」という意味で、\((2\pi)^{n/2}\) の因子を除いた部分で考えるべきかもしれない。
あるいは、最も素直な解釈として、問題の設定を「\(n\) 個の複素ボソン」と読み替えるべきかもしれない。実際、超対称量子力学の標準的な設定では、1 つの複素ボソン(2 つの実自由度)と 1 組の Grassmann 変数(2 つの Grassmann 自由度)が対になる。
ここでは問題の意図に沿って、以下のように解答する:
(a) の結果:
(b) \(A = m^2\mathbf{1}\) のとき:
これは \(m\) に依存する。しかし、1 ループ有効ポテンシャルの観点から見ると、ボソンの寄与 \(+\frac{1}{2}\mathrm{Tr}\ln A\) とフェルミオンの寄与 \(-\mathrm{Tr}\ln A\) の和は:
これはゼロにならない。
問題の意図の再解釈(最終版): 問題文を注意深く読むと、超対称性で相殺が起きるのは、ボソンとフェルミオンの自由度が等しい場合。\(n\) 個の実ボソンと \(n\) 組の複素 Grassmann 変数では自由度が 2:1 で合わない。問題の意図は、\((\det A)^{-1/2}\) と \((\det A)^{+1}\) の積が \((\det A)^{+1/2}\) となり、\(A = m^2\mathbf{1}\) のとき \(m^n\) となることを示した上で、(c) で「完全な相殺には自由度の一致が必要」と論じることかもしれない。
あるいは、もっとシンプルに:問題文の「\(Z\) が \(m\) に依存しない」は誤りで、正しくは「\(\ln Z\) の \(m\) 依存部分がボソンとフェルミオンで部分的に相殺する」ことを示すのが意図かもしれない。
ここでは、問題の意図を最大限尊重し、以下のように解答する。
実は、問題を再読すると、もしかすると \(\frac{1}{2}\mathbf{q}^T A\mathbf{q}\) の \(A\) と \(\bar{\boldsymbol{\eta}}^T A\boldsymbol{\eta}\) の \(A\) が同じ行列であることから、ボソンの寄与が \((\det A)^{-1/2}\)、フェルミオンの寄与が \(\det A\) で、積は \((\det A)^{1/2}\)。\(A = m^2\mathbf{1}\) のとき \((\det A)^{1/2} = m^n\)。
\((2\pi)^{n/2}\) は \(m\) に依存しない定数。\(m^n\) は \(m\) に依存する。
しかし、もし問題が「\(\ln Z\) のうち \(\det A\) に依存する部分」を考え、ボソンの寄与 \(-\frac{1}{2}\ln\det A\) とフェルミオンの寄与 \(+\ln\det A\) の和 \(+\frac{1}{2}\ln\det A\) を「真空エネルギー」と見なし、これが超対称性で相殺する場合(ボソン 2n 自由度 vs フェルミオン 2n 自由度)と比較する、という流れなら理解できる。
最も整合的な解釈: 問題は実は \(2n\) 個の実ボソン変数(\(n\) 個の複素ボソン)を意図しており、その場合:
フェルミオンの寄与 \(\det A\) と合わせて \(Z = (2\pi)^n\)。これは \(m\) に依存しない。
ここでは問題文を文字通り解釈して解答し、(b) については「行列式の相殺」が起きる条件を議論する形で回答する。
解答¶
(a)
ボソン部分:
フェルミオン部分:
全体:
(b)
\(A = m^2\mathbf{1}\) のとき:
一見 \(m\) に依存するように見えるが、物理的に意味のある量は \(\ln Z\) の行列式部分の \(m\) 依存性である。ボソンの寄与 \(-\frac{1}{2}\ln\det A = -n\ln m\) とフェルミオンの寄与 \(+\ln\det A = +2n\ln m\) を比較すると、和は \(+n\ln m\)。
しかし、超対称性の正確な相殺が起きるためには、ボソンとフェルミオンの自由度が一致する必要がある。\(n\) 個の実ボソン自由度に対して \(n\) 組の Grassmann 変数は \(2n\) 個の Grassmann 自由度を持つ。
正しい超対称的設定では、\(n\) 個の複素ボソン(\(2n\) 個の実自由度)と \(n\) 組の Grassmann 変数を対にする。この場合:
これは完全に \(m\) に依存しない。\(\det A\) がボソンとフェルミオンで完全に相殺する。
問題文の設定(\(n\) 個の実ボソン)では、\((\det A)^{-1/2}\) と \((\det A)^{+1}\) の相殺は不完全で \((\det A)^{1/2}\) が残る。これは自由度の不一致を反映している。
注: 超対称性が正確に成り立つ設定(複素ボソン \(n\) 個 + Grassmann \(n\) 組)では \(Z = (2\pi)^n\)(\(m\) 非依存)。
(c) 1 ループ有効ポテンシャルとの対応
1 ループ有効ポテンシャルは、場の量子論では次の形をとる(第 14 章):
(ボソン 1 自由度、Dirac フェルミオン 4 自由度の場合。係数は自由度に依存。)
一般に、超トレース (supertrace) を用いて:
ここで \(\mathrm{STr}\) はボソンに \(+\)、フェルミオンに \(-\) の符号を付けたトレース:
超対称性が成り立つとき、各ボソンに対して同じ質量のフェルミオンパートナーが存在し、自由度も一致する。したがって:
これにより、\(V_{\text{1-loop}}\) の紫外発散(\(\Lambda^4\) と \(\Lambda^2\) の項)が自動的に相殺する。さらに \(\mathrm{STr}\,M^4\ln(M^2/\mu^2) = 0\) が成り立てば、対数発散も消える。
本問の結果 \(Z_B \cdot Z_F \propto (\det A)^{-1/2} \cdot \det A\) において、完全な相殺 \((\det A)^0\) が起きるのは、ボソンの行列式が \((\det A)^{-1}\)(複素ボソン)の場合であり、これはまさにボソンとフェルミオンの自由度が等しい(超対称性が成り立つ)場合に対応する。
検算: 超対称 Wess–Zumino 模型では、1 つの複素スカラー(2 実自由度)と 1 つの Weyl フェルミオン(2 実自由度)が同じ質量を持ち、1 ループ有効ポテンシャルのゼロ点エネルギーが相殺する。これは本問の \(n = 1\) の場合(複素ボソン設定)に対応する。
A-2. Grassmann 積分による行列式の Faddeev–Popov ゴースト表現¶
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(a) \(\det M\) の Grassmann 積分表現¶
計算:
式 (C.19) そのものである。\(n \times n\) 行列 \(M\) に対して:
確認: S2 で示したように、Grassmann ガウス積分は行列式を分子に与える。これはボソンのガウス積分が \((\det A)^{-1/2}\) を与える(分母に来る)のと対照的である。
(b) Faddeev–Popov 演算子の導出¶
計算:
\(SU(N)\) Yang–Mills 理論において、ゲージ場 \(A_\mu^a\) の無限小ゲージ変換は:
ここで \(D_\mu^{ab} = \delta^{ab}\partial_\mu + g f^{acb}A_\mu^c\) は随伴表現の共変微分。
(注:規約によっては \(\delta A_\mu^a = D_\mu^{ab}\alpha^b/g\) ではなく \(\delta A_\mu^a = D_\mu^{ab}\alpha^b\) とする場合もある。ここでは \(\delta A_\mu^a = D_\mu^{ab}\alpha^b\) の規約を採用する。)
Lorenz ゲージ条件:
ゲージ変換によるゲージ条件の変化:
Faddeev–Popov 演算子は:
\(\delta G^a(x) = \int d^4y\;M^{ab}(x,y)\alpha^b(y)\) の形から:
よって:
あるいは、\(-M^{ab}\) を使う規約では:
ここで \(D^{\mu\,ab} = \delta^{ab}\partial^\mu + gf^{acb}A^{c\mu}\)。
(c) ゴースト場の Feynman 規則¶
計算:
ゴースト作用は:
これを展開する:
部分積分(表面項を落とす)を用いて:
伝播関数: 自由部分 \(-\bar{c}^a\partial^2 c^a\) から、運動量空間での伝播関数を読み取る:
これは質量ゼロのスカラー場と同じ形の伝播関数である。
頂点: 相互作用項 \(-gf^{abc}(\partial^\mu\bar{c}^a)A_\mu^b c^c\) から、ゴースト-ゲージ場頂点を読み取る:
ここで \(p^\mu\) は出ていく \(\bar{c}\) の運動量(\(\partial^\mu\bar{c}\) から来る)。
ゴーストが Fermi 統計に従う理由:
-
Grassmann 積分の性質から: ゴースト場 \(c^a, \bar{c}^a\) は Grassmann 変数として導入された。Grassmann 積分は行列式を分子に与える(式 (C.19))。これは経路積分でフェルミオンループに \((-1)\) の符号がつくことに対応する。
-
ループの符号: Feynman ダイアグラムにおいて、ゴーストの閉ループは Grassmann 変数のトレースから生じるため、追加の \((-1)\) 因子を伴う。これはまさに Fermi 統計の特徴。
-
スピン-統計定理との関係: ゴーストはスカラー場(スピン 0)の伝播関数を持ちながら Fermi 統計に従う。これはスピン-統計定理に違反している。しかし、ゴーストは物理的な粒子ではなく(外線に現れない)、ゲージ固定の手続きから生じる補助的な場であるため、この違反は許容される。ゴーストは BRST 対称性によって物理的状態空間から排除される。
-
物理的役割: ゴーストループは、ゲージ場の経路積分で非物理的な偏極(縦波・スカラー成分)の寄与を相殺する役割を果たす。\(\det M\) が分子に来ること(Grassmann 積分の性質)が、この相殺を可能にしている。
検算:
- ゲージ不変性: ゴースト作用 \(\bar{c}(-\partial_\mu D^\mu)c\) は BRST 変換の下で不変であり、これが理論のユニタリティを保証する。
- 次元解析: \([c] = [\bar{c}] = 1\)(質量次元)、\([g] = 0\)(4 次元)、\([A_\mu] = 1\)。頂点 \(gf^{abc}\partial^\mu\bar{c}^a A_\mu^b c^c\) の次元は \(0 + 1 + 1 + 1 + 1 = 4\)。ラグランジアン密度の次元 4 と一致する。✓
- Abel 極限: \(f^{abc} = 0\)(QED)のとき、ゴーストはゲージ場と結合せず、自由場として伝播するだけ。Lorenz ゲージの QED ではゴーストは物理に寄与しない(ループ図に頂点がないため)。これは QED でゴーストを無視できるという既知の事実と一致する。✓
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